養育費の支払い能力と支払いの確保
お子さんがいて離婚する場合、養育費はとても重要です。
ご相談を頂いた際にも「慰謝料をもらうことよりも、養育費を少しでも多くもらうことを考えてください」とアドバイスしております。
この養育費の額は養育費算定表(家庭裁判所の判例)を参考にして決めて頂けたらと思いますが、決めるときのポイントをお話し致します。
この算定表をみると養育費の額が例えば4万~6万といったように2万円の幅があります。この範囲内であれば交渉しやすいので、まずは最大限もらえるように交渉してください。
この算定表は通常予想される事情のみを考慮して作られていますので、最低限必要な額になります。支払う側の生活が厳しくても借金があっても養育費は優先して支払わなければなりません。
最近では、この算定表の額が低いのではないかとの指摘も出てきており、母子家庭の貧困が問題となっています。
そんな算定表ですので、もちろん子どもが私立学校に行くことは想定されていません。
私立に行かなかったとしても子どもに満足な教育を受けさせるためにはお金が必要です。
この算定表は0歳~14歳までと15歳~20歳までとに分かれていて、額が異なります。(15歳~20歳までの方が養育費が上がります)
途中で上げてもらうのは難しい可能性もありますので、養育費の増額をしない代わりに最初から若干高めの額をもらえるよう交渉するのもいいと思います。
養育費の支払い能力について
もう一つ重要なポイントとして、相手の支払い能力を超えた養育費の設定は危険であるということもお話したいと思います。
養育費は長期の支払いになりますので、最初は大丈夫でも後々無理が出てくることもあります。
せっかく高額の養育費をもらえるよう取り決めても、現実的でないものでは意味がありません。
法的に効力のある公正証書を作成していても、強制的に給料の差し押さえができるのは手取り収入の1/2までです。
それに、離婚後は、今までもらえていたお給料が減額になる可能性が考えられます。例えば配偶者控除、扶養控除、扶養手当がなくなりますので実質的に年収が減ることが予想されます。
また、思わぬアクシデント(失業・減給・病気など)支払う側には落ち度のないことも可能性としてはあり得ます。
こういったことも考慮し、可能であれば養育費の一括払いという方法も選択肢の一つです。
そして、相手方が何も考えず高額な養育費の支払いに応じるような場合には注意が必要です。
男性は、こういった話し合いが面倒で早く終わらせたいという人も多く、後先考えずにサインしてしまうことがあります。現実的に無謀だとわかっている取り決めは控えた方が賢明です。
転職や定職につかないようなら・・・
人によっては転職を繰り返し、定職につかないタイプの人もいます。
そうなると、公正証書を作成しても給料の差し押さえが難しくなってしまいます。(差し押さえる場合、会社を特定する必要があります。預貯金を差し押さえる場合も銀行と支店が必要です。)
転職をすればその転職先を調べる必要がありますし、職に就いていなければ取りようがありません。
ではどうすればいいか・・・
可能であれば「連帯保証人をつける」という方法をお勧めしております。この場合当然その連帯保証人の署名捺印が必要となってきますので、なかなかハードルは高いかもしれませんが、安心を得られる一つの方法です。(実際ハードルが高いので連帯保証人を付ける人はごく稀ではあります…)
※養育費の取り決めは法的に効力のある「公正証書」で。代理での作成が可能ですのでお二人揃って公証役場へ出向く必要はありません。