たった一度の不貞で離婚できるか
夫婦が離婚をするには離婚原因が必要です
民法で定められている離婚原因は以下の通りです
○配偶者に不貞な行為があったとき
○配偶者から悪意で遺棄されたとき
○配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
○配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
○その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき(性格の不一致等)
協議離婚の場合には、お互いの同意で離婚が成立しますので上記の離婚原因に当てはめる必要はありませんが、調停、裁判となった場合には、以上のような離婚原因がなければ離婚は成立しません。
それでは、不貞は1回でも離婚原因になるのか・・・
裁判所の判例では「一度きりの不貞は離婚原因とならず、離婚は成立しない」としています
「人間一度くらいの過ちは犯すもの、一度くらいは許しましょう」ってことのようです
それでは、その不倫相手に対して慰謝料請求はできるのか・・・
慰謝料請求する事自体は自由ですので問題ありませんが、取れても数十万~50万くらいです
もし裁判となれば、弁護士費用の方が上回ってしまう可能性があります
慰謝料請求する時間と労力、費用を考えると、請求しない方が賢い選択かもしれません
たった1度だけの不貞でも夫(妻)を許すことができない、もう信用できない・・・という方、多数いらっしゃると思います
今後の不安を解消し、夫婦仲を回復させる為にも夫婦間契約書の作成を考えてみてはいかがでしょう
「次回不倫したら慰謝料○○万円支払う」といったように取り決めておくことが可能です
(※当事務所では公正証書の形で作成しております)
続いて肉体関係がなくても不倫相手に慰謝料請求できるのか・・・
よく争点になるところでもあり、慰謝料を請求するには肉体関係がないとできない、という人もいるかと思います
しかし、肉体関係がなくても不倫が原因で離婚に至った場合には、不倫相手に対しても当然慰謝料の請求はできます
ただ、やはり慰謝料の額はそれほど高くはならないでしょう
慰謝料請求はお金を目的とするのではなく、前に進むため、気持ちに区切りをつけるための一つの方法です
多額を請求して長引かせるよりは、少額でも早期解決、一歩前進に繋げる選択をしてほしいと願います